院長ブログ
歯科医師の使命⑩
お話しした要点を箇条書きにしますと、
①歯の役割と全身とのかかわり
②高齢者における歯の重要性(寝たきり、寿命、認知症などとの関係)
③誤嚥性肺炎とは
④歯周病と全身疾患の関係
⑤歯周病の予防
⑥現代の歯科医療の姿(前時代との違い)
などです。
話の中で最も意識してもらいたかったのは、『歯の健康というものが高齢者のライフスタイル、あるいはQOL(生活の質)に大きな影響を与えるということ。つまり子どものうちは誰もが似たり寄ったりの活動を送れるが、高齢者になると人によってそのADL(日常生活動作:日常生活で必要とする動作をどれだけ自力でできるか)に大きな差がでる。その差の決定要素の一つとして歯の健康があるのではないかということ。』でした。日本人の平均寿命は男性79.55 女性86.3歳です(厚生労働省 平成22年)。もちろんこれは世界でもトップクラスですし、誰もが『日本人って長生きするんだ。』と思うでしょう。しかし『健康寿命』は男性70.42歳 女性73.62歳です。この『健康寿命』というのは人の手を借りずに生きていられるまでの年齢のことを言います。つまり男性では死ぬまでの9.13年間、女性では12.6年もの間は人の手を借りなければ生きていけないということになります。誰だって死ぬ直前まで自立した生活を送っていたいですよね。この人の手を煩わせる期間をいかに短くするかが今後の高齢化社会での達成すべき命題だと思います。その役割の一つが歯の健康を保つことではないでしょうか。
えっ!?危なかった。
ほんと困りますほんと困ります。新聞読むだけで大変です。
オリンピックは楽しいし面白いですね。日本人が活躍すればするほど何度も何度も繰り返し新聞やスポーツ番組を観ます。オリンピックネタなんてガチ過ぎて書くつもりはなかったんですが、やっぱり書いてしまいました。
よく「追う者の強み」とか「チャレンジャー精神」とか言いますが、それは気持ちではそんな考えはみじんもないくせに、負けてもともとという姿勢を作ればメンタル的には楽だからよくそう言うのでしょう。逆に「ディフェンディングチャンピオン」という言葉には追われるものの苦しさが感じられます。そういう連覇するトップアスリートは4年に1度のオリンピックとオリンピックの間どうやってモチベーションを維持するのでしょうか。まあ並みの精神力では無理だと思います。
そして高校野球はと言えば、ベスト4に残るのは横浜、履正社、花咲徳栄、智弁あたりではないかと予想しましたが全部外れてしまいました。最近の夏の甲子園と言えば複数のエース級投手を擁して継投や先発を使い分けて優勝を目指すのが一般的となっていますが、皮肉にもこれらのチームは(智弁は別)第二エースを先発させたものの、打ち込まれてあわててエースを投入したものの時すでに遅しで敗退してしまいました。高校野球は決勝まで試合数が多いものの、1試合、1試合が明日なき戦いですからやはり難しいですね。あさってはいよいよ決勝戦です。また新しい歴史が作られるのが楽しみです。
最強の食品は何?
これはよく雑誌やテレビで見かける特集で、きまって聞くのはニンニクとか牡蠣ですが、自分的にはトマトですね。子供の頃、夏のおやつといえばトウモロコシ、キウリ、そしてトマトでした。ただキウリには味噌、トマトには砂糖をつけて食べていました。(砂糖?それでも歯科医師?でも子供の時は歯医者ではないですから。)
で、トマトは特に好きでも嫌いもありませんでしたが、まだ幼稚園児だった時、トマトの缶ジュースを何気無く飲んでしまいました。それがオエッとなるくらいマズくて、その時はもう一生トマトジュースは飲むことはないだろうと思いました。さて月日は流れ受験生になった時、食事も不規則で時間もないのでどうしてもレトルト系に頼りがちでした。野菜もうまく摂れませんから、悩んだ挙句やむなくトマトジュースに手を出してしまいました。薬を飲むつもりで飲んだところ「あれ?うめえ!なんで?」と幼い頃のイメージとあまりにもかけ離れていることに仰天しました。ただ好んで飲むほどではありませんでしたが、苦手な飲み物ではなくなったのは確かです。
やがて大学に入学しお酒を飲む機会が増えてきました。アルコールは肝臓でアセトアルデヒドに分解され排出されます。これが体内にいつまでも残っているのは良くないのですが、この分解と排出を促進するのはトマトジュースなのです。当時カゴメのCMで「お酒を飲んだ翌朝は~カゴメトマトジュース」なんてのがテレビで流れてましたから、再び薬感覚で飲んだわけです。そしたらなんでもない時に飲むより、酒を飲んだ朝の方が圧倒的に美味しく感じられました。酔いも早く覚める気になって「こりゃあいける!トマトジュースがあるから今日も飲める!」とわけのわからない論理で飲んだ日もありました。その後酒を飲んではトマトジュースを飲むパターンが続きましたが、なんでもない時にも良く飲むようになり今では飲酒にかかわらず毎日飲んでいます。
さて酒の解毒作用でしかありがたみを感じていなかったトマトですが、実はめちゃくちゃ凄い食品のようです。そもそも食品の専門家ではないので耳学問ですみませんが、トマトにはがん予防、動脈硬化予防、血糖値の改善、胃酸中和、認知症予防、喘息の症状緩和、解毒効果等々いっぱい優れた働きがあります。あるTV番組でお医者さんを対象にしたアンケート調査で、健康のために摂っている食べ物は何かという問いに対して、トップはトマトだったそうです。その結果もうなずけますね。最後に極めつけの素晴らしい効果をもうひとつ。東京農工大学の研究によりますと、トマトに大量に含まれる『リコピン』という成分が骨の破壊を抑制する働きがあるということです。これは骨粗鬆症の予防につながるのはもちろん、歯周病の予防にも大きな効果が期待されるということです。やっぱりこれでトマトがナンバーワンでしょ!
ところでトマトは「果物」でしょうか「野菜」でしょうか。昔アメリカでこのことについて壮絶な裁判がありました。そんなことどうでも良さそうですが、当時果物と野菜では関税が相当違ってたそうです。トマト業界は利益が上がる「果物」と主張したらしいですが、やっぱり「野菜」って判決が出たようです。そりゃそうでしょ。あの幼稚園児だった時に飲んだトマトジュースは絶対フルーツではありません・・・。