院長ブログ

2025-01-22 08:08:00

歯科医師の使命59

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 1月19日はWeb上で日本補綴歯科学会の専門医講習会を受講しました。私は同学会の専門医ですが、学会では歯科補綴学に関する一定の研修会を受講することが義務付けられています。

 今回のテーマは、「オクルーザル・べニア」、「シングルリテーナー・ブリッジ」、「エンド・クラウン」という内容です。今の補綴学の趨勢はいかにして歯を削らず長持ちするきれいな歯をいれるか、ということで、当然今回もその主旨にのっとったものです。これらをわかりやすく説明すると、昔は銀歯をかぶせることが主流で、歯のまわりを丸々と削って帽子のようにかぶせていました。厚さも金属ですが2~3ミリになるのは普通でした。ところが「オクルーザル・べニア」はセラミックなどで作るので見た目もよく厚さは約1ミリ程度、接着するセメントを使用するので被覆する部分だけをなぞるように削るだけで済みます。

 また、これまでは歯を失うとブリッジと言って、やはり両隣の歯を丸々削ってつないで歯をいれるやり方がメインでした。ところが「シングルリテーナー・ブリッジ」というのはどちらか片方の歯の表面を削りますが、薄く狭くするので歯の損傷が少なく、そこに貼り付けるように支えを接着し、歯の無いところに歯をいれるというものです。もっとも現在これは前歯がメインですが。

 そして今の時代は見た目やアレルギー、金属代の高騰により脱金属化が進み、白いプラスチック素材で歯をいれる技術が進んできました。しかし奥歯でかぶせ物が薄くなりそうなときは、どうしても強度のある金属に頼らざるを得ません。しかし「エンド・クラウン」はもともと神経がなく削ってある歯の中に厚みを求めるやり方で、これも金属を使用せずに済むケースが多くなります。

 このような手法は、日々の臨床ですぐにでも役に立つ内容ですが、かつて自分が大学で学生を指導していた内容とは全く異なり、あの時は「平安時代」だったんだなあ…、と実感しています。

 ところで新しい知識や技術は大事ですが、相変わらず新しいカタカナの英単語ばかりでなじむのに時間がかかりそうです。今年も自分の「平安時代」を懐かしむべく、同日に行われた「大学入試共通テスト問題」を見てみましたが、毎年それはもう解く前に「問題」ではなく「解答」になっています。

 今年の「国語」の問題中資料で、「外来語はそのまま使った方が良いか」というアンケートで「インフォームドコンセント(納得診療)」は日本語の方が良いが、「リハビリテーション」はそのままの方が良い、という結果が書いてありました。歯科では両方の単語を使いますが、こうなると患者様への説明は外来語か日本語か考えた方が良いということですかね。また国語の最後の問題で「論語」について漢学者の皆川淇園と田中履堂が、「学問は雑多な知識に惑わされないように、基軸となる要点を把握するべきだ。」、「多くの書物を乱読するよりも一冊の書物を隅々まで深く理解することが大切だ。」と論じています。しかし特に医療のような科学の場合は、新しい技術や知識に順応するためには多くの書物や文献を見る必要があるのではないか、と自分は相反する考えに到達しましたがいい勉強になった一日でした。

 

 

 

2025-01-03 18:08:00

別の未来2025

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新年あけましておめでとうございます。 

本年もまさと歯科医院をどうぞよろしくお願いいたします。また、当医院HPの奥にあるこんなブログにまで来ていただいて心より感謝申し上げます。 

新しい年を迎えるたびに、「何か新しいことをしなくては・・・。」という義務感のようなものを感じますが、毎年年の瀬になると「なんか進歩したっけかなあ…。」と反省の繰り返しです。小椋佳さんの『子どもらの明日』という歌の歌詞に「子どもらの明日は未来で 私達の明日がただの別の日で」というくだりがあって、「うーん、悔しいけどあっているかも…。」と感じ始めて30年以上たちます。しかしこの歌詞が「進歩しなくちゃ。」と考える一つのモチベーションになっているのも確かです。 

 今年は巳年ですが、聞くところによると『巳』の意味は『植物が成熟して種子をなす』という意味で、新しい進歩が生まれることのようです。ところがヘビの意味は全くなく、字体が似ているとか、ヘビは脱皮して進化するからとか、あてつけて組み合わせただけのようです。 

 このブログでは何度かうちの病院の周りに出現するヘビちゃんの話を載せてはいますが、クマちゃんと同様、写真の干支せんべいのようなキャラクターで見るには可愛いですが本物は怖くて苦手です。それでも健康と進化の象徴であるヘビちゃんには、干支である今年もたくさん現れてほしいです。

 

2024-12-15 00:06:00

今年最後の一枚

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  相変わらず手に入れる音楽のソースはストリーミングではなくCDです。手に入れたおそらく今年最後となる音楽CDは「メアリー・J・ブライジ」の「GRATITUDE」です。メアリー・Jはグラミー賞の常連でR&Bやヒップホップの女王と言われているスーパースターです。しかし本人はもう引退するといっています。何もかもやり尽くして何もかも手に入れたから、頑張った分を実感するため引退してやりたいことをするんだ、と言っています。日本だったら一曲ヒットすれば引退などせずにそれにすがって、紅白歌合戦の後の番組に出たりして一生食べていこうとする演歌歌手も多いですが、彼女の場合はあらゆることをやり尽くして財もなしたので引退するのでしょうね。  

 彼女の楽曲は、歌謡曲で言うサビがない分かけっぱなしでも疲れず聞けます。R&B(リズム・アンド・ブルース)は厳密にはソウルやヒップホップとも微妙に違うようです。私が一番好きな女性ボーカルはエラ・フィッツジェラルドで、彼女はブルースの女王と言われてますが、もちろんこれにリズムをつけてもR&Bにはなりません。そんな難しいことより、音楽には限りがなくジャンルはどうでもよく、聞いて楽しければそれが全てです。メアリー・JのCDはどの曲の長さも3分前後なのでくどくなくてライトな感じですが、 アルバムのタイトルの「GRATITUDE」の意味は単なる「thanks(感謝)」 より「お世話になった感謝の気持」という重みのあるニュアンスらしいです。引退するのですべてに対して感謝したい意味でつけたのでしょうかね。  

 そういえば高校生の時見たブルース・リー主演の映画「燃えよドラゴン」の中で、悪の総領ハンが主催する武闘大会出場者のレセプションで、「Welcome!・・・gratitude!」と宣言したのを覚えていましたので、懐かしい気がしました。ただ「gratitude」はとてもいい言葉の割には、普段あまり聞くことがないのが不思議です。 

 今年もまさと歯科医院はいろいろな方々の助けを借りてたくさんの患者様に奉仕することができました。心より感謝申し上げ、皆様方に「GRATITUDE」 です! 

 

 

 

2024-12-14 22:56:00

歯科医師の使命58

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 一般的に歯科医院は院長に何かあったら、ほかのスタッフ全員が健常であっても休院することになります。ですからコロナはもちろん、インフルエンザも感染しないように感染予防を心掛けています。

ワクチンの話です。一昨日インフルエンザのワクチンを高橋ハートクリニックさんで接種してきました。インフルエンザはもともと5類で新型コロナも5類に変更になり感染症としての脅威が薄くなったにしても、感染すれば学校ではおよそ5日間は休まなければなりません。そこは法定伝染病ですので厳しい対応をするのは仕方がありません。

 もともと毎日人に注射するくせに自分が注射されることに拒否感丸出しで行きました。コロナワクチン注射は痛くはないけど、インフルエンザは痛いという定評がありましたが、この日は先入観が大きかったせいかあまり痛みを感じないで終了しました。担当したいただいた看護師さんの技術に感謝です。

 高橋ハートクリニックさんではコロナと違い、予約なしでインフルエンザのワクチンが受けれます。でも、やっぱり注射は苦手です。

2024-11-30 17:55:00

なぜフランス?

 

 

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先日は山形の大事な知人からラ・フランスをいただきました。果物は毎日食べていますのでとても嬉しいです。昔からラ・フランスには高級果物のイメージがありましたが、30年近く前に山形の山寺に遊びに行った時、帰りの国道沿いの至る所でラ・フランスが路上販売していて、ちょっと興醒めしていました。その後特に口にすることなく忘れかけていた今になって久しぶりに食べてみたら、大きいのにチョーうまい!

  聞いたところによると原産はもちろんフランスで、初めて市場に出た時あまりに美味しくて、『これぞフランス!』という意味で「ラ()・フランス」という名前になったらしいです。しかし今は成育方法が難しいらしくて、なんとフランスでは全く生産されておらず、気候条件が圧倒的に向いている日本の山形で生産されているようです。しかも日本の洋梨の半分以上はラ・フランスでそのほとんどは山形で生産されているみたいです。

  ただ、美味しい食べ頃の時期は本当に限られて短いようです。油断して食べないでいると、実が柔らかくなり過ぎて食べられなくなり「用無し」になってしまいます。

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