治療の上で大切なこと
【歯は消耗品】
削った歯は戻らない
歯は多くの研究により削った歯ほど消滅するのが早いということが分かっています。乳歯は生え変わりますが、永久歯はなくなってしまうとそれっきりです。健康的な歯でも生涯にわたって摩擦などで減り続けますが人為的にはを削ることは極力避けなければなりません。ですからもし虫歯ができてしまった場合は削る大きさを最小限にとどめます。
【虫歯ができたら】
削るか削らないか
虫歯はある日突然大きな穴として出現するわけではありません。目で確認できない状態から虫歯は始まります。そういった虫歯かどうか判断できないなりかけの状態(専門的にはCOといいます)では歯ブラシやフッ素塗布などで健康な状態に戻ることがあります。また、はっきりとした虫歯の形となったとしても、食習慣を改善したり、歯ブラシの励行、フッ素塗布などで長時間進行を遅らせ日常的に何ら問題がない状態で維持することができます。ただレベル的にこういった方法で進行を遅らせることが不可能と判断された場合には、歯を削って詰める(かぶせる)という治療に進まざるを得ません。
【麻酔】
麻酔の注射は痛い?
歯の治療では麻酔はなくてはならない処置でしたが、昔からその麻酔自体が痛いというのが定番でした。しかし現在でも麻酔は注射ですが、電動の機器による無痛的な操作に変わりました。患者さんによっては針を刺したことに気付かない方もいらっしゃいます。もちろん痛い場合もありますし場合によっては従来通りの手動による注射を行う場合もありますが、注射によるストレスをだいぶ軽減できるようになっています。
【子供の歯】
子供はまだ小さいけどどうやって治療するの?
歯科医院にかかるのが初めての子供さんに虫歯ができてしまった時などは、緊急を要するとき以外はすぐに歯を削ったりすることはありません。まずは虫歯の進行止めの薬を塗ったり、フッ素塗布を行います。また虫歯が多い子供さんは比較的小さい虫歯から始め、診療室の雰囲気に慣れた頃になって重い虫歯の治療(場合によっては麻酔して)に進みます。
【歯周病とは】
歯周病の怖さと予防
歯そのものに穴があいたりするのは虫歯ですが、歯の周りの歯ぐきや骨が弱ってくるのが歯周病です。若い年齢層では虫歯が圧倒的に多いのですが、40代あたりを境に歯周病の割合が増えて逆転します。初期のころはほとんど痛みを感じませんが、ある日違和感を感じるようになってきたら相当進行している場合があります。重症の場合は虫歯が一切なくてもポロリと歯が抜けてしまうこともあります。主な原因は①歯の汚れ(歯石や歯垢)②かみ合わせ(歯ぎしりや歯の酷使)③全身的な問題(喫煙、糖尿病、妊娠など)があげられます。最大の原因は歯の汚れと言われていますが、家庭や職場での歯ブラシだけではすべての汚れを取り除くことは大変です。当医院では国家資格を持った歯科衛生士が専門的な口腔ケアを行っており、定期的に口腔ケアを行うことで虫歯はもちろん歯周病を予防することができます。
【歯を失ったら】
抜いた歯の代わり
何らかの理由で歯を抜いてしまうと、そこにはどんな歯を入れるかについての検討をしなければなりません。通常はとりはずしの義歯、ブリッジ、インプラント等を入れる、あるいは全く入れないで済ませるなどの選択肢があります。このことについてここでどれが最も良い方法であるかは決めることはできません。それぞれに長所、短所があり個人個人の口の中の状況や希望に応じて選択されることになります。確かに学術的な見方から決めることは大事ですが患者様の意向等を十分反映して総合的に決定することになります。
【インプラント治療について】
インプラントとは
インプラント治療は歯を失った部位に人口の歯根を埋め込み、さらにその上に人口の歯を装着することです。これによって周囲の歯に負担をあまりかけることなく、これまでの自分の歯と同じように噛めるようになります。また、見た目にも天然の歯に近い素材を使用しますので快適な食生活を送ることができます。
当医院ではストローマン社製インプラントを使用しています。詳しくは下記のホームページをご覧ください。
https://straumannpartners.jp/medical/implant/
【義歯(とりはずしの入れ歯)】
義歯の役割
多くの歯を失うと、とりはずしの義歯を入れることがあります。実際、義歯は自分の歯と比べると強い力では噛めませんし、熱いものや冷たいもの、硬いものと軟らかいものとの区別がつきにくく、異物感、不快感が出ることは避けられません。
しかし義歯には失った歯の多くの役割を代わりに果たすことができます。義歯を装着することによって自分の歯と同様とはいきませんが、咀嚼(噛むこと)、嚥下(飲み込み)、審美性(見た目)を一定の段階まで回復することができます。歯を失ってしまったら悲観的にならず積極的に装着することをお勧めいたします。
【メンテナンス(歯のクリーニング)】
痛いところがなくても歯科医院に通うのが大切
自分の歯をなくさないことがとても大事だということはお分かりだとは思いますが、実は歯が痛くなった時だけ歯医者に通うのではなく、定期的に歯科医院で健診とPMTC(専門的な歯のクリーニング)を受けることによって虫歯や歯周病を予防し、歯を失う確率が格段に下がることが分かっています。またせっかく入れた義歯やブリッジ、インプラントなども定期的に健診やPMTCを行うことによって長期間快適に使えることができます。自分の歯あるいは補綴物(入れた歯)をより長く使い続けるのであれば定期的なメンテナンスとしてPMTCを受けることをお勧めいたします。
【歯を白くしたい】
どうやって歯を白くするの?
歯を白くする方法には
①歯の汚れを取る(クリーニング)
②白い歯をかぶせる(補綴処置=ほてつしょち)
③歯そのものを白くする(ホワイトニング)
などがありそれぞれ長所短所があります。
①は汚れを取るので歯が白くなりますが本来の歯の白さよりは白くなりません。②は思った色の白さにすることができますが、詰め物やかぶせた歯までは白くなりませんし健康保険ではできません。どの方法が良いかは十分に相談してから決定しましょう。
①歯の汚れを取る(クリーニング)
初診時の一例です。 |
歯周病の原因となる歯石と歯垢を除去しました。 |
歯面清掃器(ポラリス:オサダ社製)にて微細な汚れを 取りました。 ※保険適用外です。効果は個人によって異なります。 |
②白い歯をかぶせる
前歯の色が変わってきました。継ぎ目やムシ歯も気になります。
色、形、大きさ、歯肉の形をそろえます。
仕上がりです。自然な感じで自分の歯と歯見分けがつきません。(このケースは保険診療外です。)
③歯そのものを白くする(ホワイトニング)
当医院で行っているティオン・ホワイトニング・システム(GC社)は自宅で行っていただくホワイトニングです。詳しくは医院スタッフにお尋ねください。
当医院使用Tion(GC社)によるホワイトニング
~GC社HPより~
※自費治療です。
【治療の明確な説明とデータの保存】
当医院ではレントゲン写真や、口の中の写真、歯周病の検査結果などはデジタルで一括保存してありますので、デジタル化してあるデータはモニター画面にすべてお見せすることができます。また治療方針、治療計画、診療内容等も、様々な検査結果、統計や資料をお見せすることによって患者様の納得のいく明確な説明をしたうえで決定し、治療を開始いたします。疑問な点、不明な点は是非歯科医師までお尋ねください。
たとえば歯周病の程度を知るには口の中の歯1本につき数か所の歯肉を検査し、これを全部の歯で行い数値で表します。この検査結果は全て患者様にお見せできますので、これによって今後の見込みと治療の進め方、以前と比べた改善の状況、などについて十分な説明を行うことができます。