院長ブログ
今聞くと
歯科医師の使命②
10月25日に盛岡市で開催された日本補綴歯科学会東北・北海道支部学術大会に出席してきました。補綴歯科というのは失った歯の代わりに入れ歯や銀歯、ブリッジなどを装着するための学術領域です。私はこの学会の専門医となっており常に参加を義務づけられていることから、全国各地で開催される学会に可能な限り参加しております。歯科医師というのは臨床経験という熟練を求められことと同時に、常に先進技術を学ばなくてはいけない立場にあります。普段の診療室ではなかなか先進技術を見ることはできないのでこういった機会はほんとにいい勉強になります。今回は東北大学歯学部大学院の江草教授の講演を聞き驚きの連続でした。それは歯肉から万能細胞であるips細胞を作り出すというものでさらにそこから顎の骨や歯まで作り出そうという内容でした。ノーベル賞を受賞したあの山中教授の協力のもとその概要が着々と見えつつあるようです。日頃の臨床に追われる自分にとっては、歯科学の進歩にただただ感銘を受けるだけでした。
楽天最下位でした・・・が。
歯科医師の使命①
歯科医師になる前は、『歯医者とは歯を元通りに治すものだ』と思っていましたが、実際にはむし歯であれば歯を削って他の材料で補うという操作をするので、歯科医師になってすぐは『そうか歯医者にゃ歯を元には戻せないんだ・・』と実感しました。しかしながら人工物を入れたのにもかかわらず以前と変わらずなんでも食えるとおしゃる患者さんや、歯を失って精神的にネガティブになっていたのがかなり気が楽になったとおっしゃる患者さんが多数いらっしゃいます。やがて大学病院に勤務しているうちに、『歯を元に戻せなくとも限りなく同等のレベルまで回復させることができるんだ』と(当たり前ですけど)認識するようになりました。ですから普段は口の中を限りなく健全に近い状態に戻せよ、の使命感に燃えて全力を尽くしております。