院長ブログ
2022 Final Full Moon
昨日は今年最後の満月でした。スマホの写真ではきれいには撮れませんでしたが、肉眼では鮮やかな光を放ち右上に火星がお供で光ってました。庭に出るとあたりは暗いのですが、強い月の光で地面に自分の影ができるほどでした。
こんな夜はキツネが人をだましに来そうですが、何の気配もありませんでした。時々夜に病院の駐車場付近をキツネが歩いてるところを見かけますが、目と目が合ったりして「おっ、キツネだ。こっち来い。」と呟いても、「ハァ?」って感じでシカトされどこかへ消えてしまいます。
月の光には何か強い力が含まれているのでしょうか。超古いところでは「月光仮面」や「忍者部隊月光」などのヒーローがいました。人が満月の夜にオオカミになってしまい月に向かってほえる人狼伝説も有名です。そういえばマイケル・ジャクソンのMV「スリラー」にもそんなシーンがありましたね。でもベートーベンのソナタ「月光」を聞くとやはり強い力より、切なさの方が月の光のイメージですね。
そこで昨夜のような澄みきった夜の月の光に接してもう一つ思い浮かべるのは、中島敦氏が書いた短編小説「山月記」です。中国の才能ある詩人の心に虎が宿り、体まで虎に化身してしまう奇異な物語です。「山月記」と言っても小説の中で「月」の文脈はあまりないのですが、虎に化身した主人公が最後に朝の残月に向かって咆哮(ほえる)するところが切なくて印象的です。
でも、世代的にはやっぱり「太陽にほえろ」かなあ。