院長ブログ

2021-05-26 12:13:00

怖いもの見たさ

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 先週の天気の良い日に、自宅の勝手口にある震災でできたコンクリ‐トの階段のひび割れから、小さな蛇が頭を出していました。蛇は超苦手なので「やべー、蛇だ!」とすぐ戸を閉めました。室内から窓越しに写真を撮りましたが(写真1:見たくない人のために小さめのカット)、遠くから見ても気持ち悪いですね。
 人はどうして蛇が嫌いなんでしょう。かのインディ・ジョーンズも蛇が一番嫌いでした。作家の阿部公房氏は人が蛇を嫌うのは「日常性の欠如」だと言ってました。つまり人間は動物に手足(日常性)が無い(欠如)ことを想像できないからだというわけです。しかし手足のない動物は山ほどいますし、ウナギなんかシルエットは蛇同然ですが皆さん大好きでしょ、かば焼きなんかサイコーだし。やっぱりウロコの模様でしょうかね。
 ところが、実は蛇は幸せや健康をもたらすキャラクターとして有名です。それこそWHOのロゴマークなんてもろ蛇ですし、子供の時から蛇の夢を見るとお金が手に入るよ、と聞かされていました。実際一度もそんな夢を見たことがないので経験がありませんが、蛇は弁財天様(豊穣、蓄財の神様)の使いとも言われています。ですから、隙間から蛇が頭を出しているのを見つけた時、気持ち悪かったですが逆に「こりゃなんかの実(巳)入りがあるかも。本棚の隙間に落ちていたお金が見つかるとかさ。」と、調子の良い望みを持ったものですが、ちなみに今日まで何もないです。
 その見た蛇の頭は緑だったので多分青大将かと思いますが、無毒で臆病な種類ですから、ついついそのコンクリートの隙間を遠目に覗いてみました。すると、隙間の奥にはなんと蛇の縞模様の抜け殻が…(写真2:これも小さめで)。「おお!こりゃ縁起がいい!」とホクホク。昔から蛇の抜け殻を財布に入れておくと金運が良くなるみたいなことが言われています。蛇の抜け殻は新しいことが生まれる、幸運が訪れる、などいい話を聞きますのでそっとしておきます。こんな自分に都合のいいいわれや言い伝えだけ信じる自分に嫌気がさしますが、悪い気はしません。しかし次の日からはどこ行ったか分からず、「蛇ちゃんいつまでもいてくれよお。」とせこい独り言を発したのでした。
 そういえば、脱皮する蛇のウロコの抜け殻はしっぽの先から口の先まで一枚仕立てになっているそうです。当然目にあたる部分もそのウロコで一様に覆われています。蛇は動きますからやがてウロコの表面はざらつき、当然目を覆っているウロコもガサガサになり視力が落ちてくるそうです。しかし脱皮するとこのガサガサした目を覆っていたウロコも全て剥がれ、全身つるつるになり、いきなり視界が良くなるらしいです。これが「目からウロコが落ちる」という言葉の語源らしいです。
 そんなことはどうでもいいですね。蛇足でした。