院長ブログ

2020-03-27 00:02:00

帰去来Ⅹ(前編)

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 春分の日はお彼岸でしたので気仙沼に帰ってきました。風が猛烈に強かったのですが、大島大橋を渡って大島まで行ってみることにしました。開通当時は大橋までの道標が少なく悪評を買っていましたが、この日はそんなことはなくスイスイ行くことができました。
 大学病院勤務当時、鹿折地区にある光が丘保養園という病院の歯科に出張で通ってましたが、あらかたその方向へ進んだもののいきなり高架となり、光が丘を眼下に見ながら進む新道路にびっくり。 やがて大橋の手前に到達し(写真1)、その威容に2度びっくり。この素朴な地域にこんな巨大な建造物ができるなんてどうしたって実感が湧きませんね。
大島と言えば幼少の時から遊びに来てましたが、まず実家の近所の船着場から汽船で大島に渡り、バスに乗り換え小田の浜海水用場で泳ぐか、船着場のそばからリフトで亀山の頂上に向かうと言うパターン。家から近い割には手間がかかり、行って帰ってくるだけで一つのイベントを完結するようなところでした。それがもう車で楽勝ですからあっけなさに気が抜けました。ですから絶叫しながら橋を渡って振り返ると(写真2)気仙沼市街が容易に眺めることができてこれも何とも言えぬ不思議な感覚でした。
 そこから道なりに進むと、かつて汽船の船着場だった浦の浜に出ました。大島の玄関口でしたから汽船の券売所やお土産屋さんの建物が立ち並んでいたはずなのに、津波で流され、汽船も廃止になってますので今は道路一本だけになってました…。もちろんバスの乗り場もなく、まるでつわものどもが夢の跡…。
次に向かったのは夏となると子供の頃から医局員時代まで通った小田の浜海水浴場です。ただの海岸線が続く中で「小田の浜駐車場」の看板を見つけて驚き。その周辺は小田の浜海水浴場だったはずですが海の家は皆無で、砂浜は消滅、もう海水浴場の体をなしていないただの海岸でした(写真3)。津波でみんな持っていかれたんでしょうかね---。結構ショックでした。
(後編)に続く