院長ブログ

2019-12-02 21:53:00

歯科医師の使命㉜

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 11月30日は栗原歯科医師会が開催した学術講演会に出席してきました。午後5時からで会場は栗原市志波姫のエポカ21でした。演題は「口腔粘膜からみる全身の健康」で講師は 東北大学大学院歯学研究科口腔診断学分野の講師で、東北大学病院の特命教授また周術期口腔支援センター・センター長の飯久保正弘先生です。
 今回の講演でのポイントは…
①よく言われる『噛むことと脳の活性化』では、良くかみしめて『うまい』と感じることが大事。唾液は発がん物質を抑制するが、しっかり噛んで食物と混ぜることが必要。早食い、暴食は唾液が出ないので発がんを抑えにくい。
②味覚障害はだいたい年齢、亜鉛不足、メンタルが原因と言われるが、粘膜(舌)の疾患が原因の場合も多い。
③誰にでも見られる再発性アフタ(口内炎)の実態と類似の疾患との鑑別方法。
④周術期(手術を行う前後)の口腔ケアは、入院期間が短縮されるし、癌の化学療法や放射線療法では口腔粘膜炎が出現するがこれを有意に抑制できる。他に、介護施設で一日2回の口腔ケアでは、0回の場合と比べると誤嚥性肺炎を約半分に抑えることができる。
⑤実際の病変の写真を供覧し、見た目果たしてそれが悪性かそうではないかとその説明。
 等々でしたが、特に最後の⑤はかなり臨床的で、口の粘膜や歯肉の悪性腫瘍の専門家である飯久保先生ですら、ちょっと見ただけでは悪性かそうでないかの判断は難しいとおっしゃってました。しかし病院に行ったらなんでもなかったが一番いいのだから、なんか変だなと思ったらすぐ紹介してほしいとおっしゃってました。まさのその通りで特に口の中で気になることがあれば早めに歯科を受診していただきたいと思います。