院長ブログ
歯科医師の使命㉙
6月8日(土)は「栗原市歯科医師会 歯の衛生週間行事」として志波姫のエポカにて講演会が開催されました。演題は「体と心の元気はお口から~『食べて、話して、大笑い』ができる口とは~ 」で、講師は東北大学大学院歯学研究科 口腔保健発育学講座 予防歯科学分野教授 小関健由先生でした。当医院は私はじめ病院スタッフみんなで参加しました。講演内容は、最近は歯と全身的なテーマが多い中、今回はズバリ虫歯予防についてです。虫歯予防の3大要素は①細菌 ②砂糖 ③歯質ということになります。これらをコントロールするには①は歯磨き、②は食生活の見直し ③はフッ素の応用ということです。フッ素については2017年に厚生労働省が最大1500ppmまでのフッ化物配合歯磨剤を承認(15歳以上)しましたので、虫歯予防には大きな効果が期待できるということです。また歯周病についてはひたすら汚れを除去することが大事ということでした。
さて最後の質問の時間で話題になったことは、つい最近テレビの健康番組で虫歯予防の先進国スウェーデンで、日本人にはとてもマネできない歯磨きの方法が一般的だということでした。その方法とは歯ブラシに歯磨き剤をつけて歯磨きしますが、そのあとは何と口をすすがない!というものです。「うーむ。自分には無理だなあ…。」と思いましたが、その根拠というのは、歯磨き剤の多くにはフッ素が添加されていますが、これを歯に作用させて定着させるには一定時間口の中にとどめておくことが必要なのです。つまりたっぷり歯磨き剤をつけて歯磨きした後に、すすがない方がフッ素が歯に取り込まれて虫歯予防効果を高めるということになります。
このことについてある質問者から、「これまで歯磨きは少量で良いと指導してきたが、これからどう指導してよいかわからない。」とか、他の質問者からは「フッ素はいいが、他の成分も飲むことになるが大丈夫か?」という話になりました。これについて小関先生は、「他の成分はほとんど無害であり、それぞれに異なる使用目的があるわけなので何もつけずに歯磨きし、フッ素洗口剤でうがいしたあとすすがないことが最も効果的。」との回答をいただきました。私もそれが最善の方法だと思いましたので納得して終わることができました。
それにしてもスウェーデンでは歯磨きしたあとすすがないとは…。イギリスでは食器を洗剤で洗ってもすすがないでそのまま使うとも聞きます。なんでもきちんとしたい日本人の国民性には合いませんね。なんといってもウォシュレットを考え出すような国民ですしね。ウォシュレットといえば、映画「テルマエ・ロマエ」でローマ帝国?から来た阿部ちゃんが、初めてそれを使用した時の恍惚の表情を思い出していつも笑ってしまいます。口もとことんきれいにし、フッ素で仕上げましょう。