院長ブログ

2019-04-18 18:13:00

帰去来Ⅶ

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 おそくなりましたが3月17日の日曜日は気仙沼に行ってきました。震災のあった11日とほぼ同じ時期ということになりますが、8年も経過したとはとても思えません。気仙沼に帰るときはいつも市内の名所に寄ります。今回は岩井崎です。岩井崎は海水浴ができるような砂浜はありませんが、芝生が岬まで続いてその先に波の静かな岩場が広がる自然公園です。太平洋はもちろん大島も眺められます(写真)。私が幼稚園の時や小学校低学年の時の遠足といえば必ず連れていかれました。沖からくる穏やかな波が岩でさらに穏やかになって流れてくる波を眺めながら芝生でお弁当、というのがその時の子供たちの定番でした。実は岩井崎の名物は岬の突端にある潮吹き岩です(写真)。この時は珍しく結構な高さまで潮が舞い上がってくれてました。これは海の潮位と波の強さと訪れた時間がマッチしないと起こらない現象なのでとてもラッキーでした。津波で岩井崎の陸の形は変貌してしまいましたが、海の景観は何十年前と変わらぬ様子でした。
 途中、現在は「気仙沼市東日本大震災遺構 伝承館」となっている旧気仙沼向洋高校を車から見ました(写真)。あれほど静かな海がこの建物の4階まで押し寄せたのかと思うと、改めて津波の恐怖を感じました。中には入りませんでしたが後日TVの「ぼんやりーぬ」でサンドウィッチマンの二人が建物の中をレポートしてました。外観から見える廃墟の姿以上にひどい状況でしたが、遺構として多くを語り継いでもらいたいと思います。
 さて帰りは気仙沼といえばこの店という海鮮の専門店で食事をしました。会計をしようと思ったら15年以上前に引っ越ししたため会えずにいた仙台在住の知り合いのご夫婦とバッタリ。お互い「何やってんですか、こんなところで!」とびっくり仰天。自分は出身地ですが、相手の方たちは旦那さんがラグビー好きなので釜石のラグビーW杯会場の鵜住居復興スタジアムを見学しに行った帰りで、途中どうしても気仙沼の魚が食べたく下車したみたいです。こういった方々が数多く気仙沼に来てもらいたいですね。
 岩手ではラグビーW杯、宮城では東京五輪サッカー、福島では聖火スタート、気仙沼は大島大橋完成と派手な話題が続きますが、最近の宮城県民意識調査によりますと、『震災復興を実感しているか』という質問に対してほとんどの地域で過半数の人が『実感している』と答えているのに対して、沿岸部だけは実感している人は半分以下だったそうです。月並みですが迅速な復興を心から願っております。