院長ブログ

2018-03-21 14:17:00

歯科医師の使命⑳

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 本年2月に日本補綴歯科学会専門医の更新が認められ、認定証が3月に届きました。
 初めて補綴歯科学会の専門医(当時は認定医という呼称でした)として認定を受けたのは今から約30年前でした。この資格は有効期間が5年間なので、5年たてば更新の手続きをしなければならず、でなければ失効してしまいます。さらに更新するためにはこの5年間に補綴歯科学会をはじめとする指定の学会に決められた回数以上出席し、指定された学会で学術発表をするか、学会誌に論文を提出し掲載されなければなりません。今回もこのようなハードルをなんとか飛び越えて専門医の資格を更新することができました。
 意外とご存じない方も多いのですが、もともと歯科は口の中とその周辺の疾患全般をまんべんなく診ますが、口の中でも様々な分野がありその分野ごとに学会が存在し,その学会で認められればその分野の専門医であると認定されます。私の専門とする補綴歯科学をわかりやすく言えば、失った歯や顎に対して通常人工の義歯(取り外しの入れ歯やブリッジ、銀歯、白い歯などのかぶせる歯)を装着することによって咀嚼機能(食べること)や審美性(見た目)を回復することを研究目的とする学問領域です。ですから私はそういった義歯を装着する専門医ということになります。
 そのほかにも歯周病や口腔外科、小児歯科、歯科麻酔、放射線などの領域において、それぞれの学会が専門医を認定しています。確かにホームドクターであれば全ての領域を一通り診なければなりませんが、全部の領域でスペシャリストであることはきわめて困難です。そこでそれぞれの領域に専門性を持った歯科医師がいれば、より高度な診療を提供することができるようになります。
 さて、自分としては、入れ歯は自分の歯には絶対及ばないにしても、専門医と言うならばもうちょっと入れ歯でなんでも食べれるようにできないものかと苦悩する毎日です。