院長ブログ

2017-06-25 12:19:00

歯科医師の使命⑰

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  6月10日は栗原市歯科医師会が主催する「歯と口の健康週間講演会」が栗原市志波姫のエポカ21で開催されました。演題は「オーラルフレイル」~超高齢化社会における歯科保健のフレームワーク~で講師は東北大学大学院歯学研究科 口腔機能形態学講座 加齢歯科学分野教授の服部佳功先生でした。その主な講演内容は・・・
 人間には寿命がありますがもう一つ健康寿命というものがあり、人の助けを借りずに生きていける、つまり要介護になる直前までを言います。その直前の要介護の危険が高まる状態(虚弱)が「フレイル」です。フレイルから健康には戻りやすいのですが、要介護からフレイルに戻るのは容易ではありません。
さらにこのフレイルの悪化には悪循環があり、『サルコぺニア(筋力、量の低下のこと)』が起きて『食欲不振』となり『低栄養』となってまた『サルコぺニア』がすすみ要介護に向かうというパターンです。ですから最低でもこのフレイルの時点にとどめておくことが最大の課題と言われています。
 特に歯科ではここの低栄養にしないという点で大きくからんでいます。そこで低栄養にならないためには口の働きを健全に保つことが大事ですが、口にもオーラルフレイルという状態があります。これは口に現れる虚弱です。具体的には口の中の不潔、乾燥と噛む力、飲みこみの機能、舌の力、噛む働き、舌口唇運動能力などの低下でこの中のどれか3つが認められると口腔機能低下症と呼ばれ、しまいには低栄養に発展します。
 しかしながら高齢者にあっても首から上の筋肉というのは鍛えることはできるそうですし、噛む力が弱いと明らかに介護のリスクが増えるそうなので大いに口の周りを鍛えて筋力をアップしましょう。ただ口の周りのシワを伸ばすのは無理みたい・・・です。