院長ブログ
歯科医師の使命⑬
去る1月22日(日)は神奈川県横浜市にある神奈川県歯科医師会館で開催された日本補綴歯科学会西関東支部学術大会に出席してきました。支部学会はその地区にある大学が中心となって発表しますから、全国の大学が総出で参加する春の本大会とは異なり、どちらかと言えばこじんまりとした内輪の学会です。また、本大会の費用も規模も大がかりなものと比べると比較的身近でわかりやすい発表が多い気がします。それぞれの大学によって得意分野がありますから『へーっ。こんなこと研究してんだ!』と感心したり驚いたりすることも多いです。
今の学会ではインプラント(歯の無い顎の骨に人口の歯を埋める治療)全盛ですが、まだまだ取り外しの義歯(入れ歯)のほうが圧倒的に多いので昔ながらの治療方法で入れ歯の研究発表が出てくると『入れ歯って本当に難しいよなあ。』と実感します。また最近の流れとしてかぶせる歯、詰める歯を人の手ではなくパソコンの制御により機械が作る方法が本格化してきています。今回も入れ歯を3Dプリンターが製作する発表がありました(実用化はまだ難しいようですが・・・・)。いわゆるAI(人工知能)の波が我々の領域でも確実に押し寄せてきつつあります。オックスフォード大学によりますとAIの進歩によりいずれ消滅する職業の中に義歯制作技術者がはいってました。しかし我々は患者様の気持ちを重視し痛みを診ますが、これはAIがいかに進歩しようとも凌駕不可能でしょう。人間でなければできない仕事は最後まで残されていますからね。
その大昔、『宇宙家族ロビンソン』というアメリカのテレビ番組でロビンソン一家が購入したお手伝いロボットが一家と暮らすうちに喜びや悲しみを覚え、最後は性能的には不可能なはずの『涙を流す』までになってしまいました。ロボットの売主は仰天して「売った値段では売れない」と言って連れて帰ったという話がありました。もしそんなロボット(AI)が出現したら大したもんですがね。