院長ブログ

2016-11-03 08:56:00

歯科医師の使命⑪

201611031709184285.jpg
 一昨日は栗原市の介護認定審査会に出席してきました。介護ということに対してどれだけの人が現実的に考えているでしょうか?日本人は死ぬ直前 約10 年間は誰かの手を借りなければ生きて行けないという健康寿命について先日ブログに書きました(2016.8.31)。その一人では生きて行けない、だれかにお金を払って介助してもらうという感覚が今の現役世代にはあるのでしょうか。
  介護保険は医療保険と同様にかかった費用の何割かを保険で払ってもらう仕組みです。しかし医療保険と大きく違うのは、その人の介護の手間の大きさによって保険で払ってもらえる限度額が違ってくることです。例えば歯医者だったらどこまで治してもかかった医療費に対してその人の負担割合(1とか3割等)を支払えば良いのですが、介護保険では介護の手間(介助)が多い人ほど限度額が高くなってきます。この介護の手間の程度を表すレベルが軽い人から要支援1、2、重くなるにつれ要介護度1から5となっていきますが、これを決定するのが各自治体が開催する介護認定審査会です。構成員は医師、歯科医師、薬剤師、看護師、介護福祉士、ケアマネジャーなど主に医療、福祉関係者です。
 介護認定を申請すると調査員が出向いて身体や介護の状況を調べそれを莫大なデータを持つコンピュータが機械的に1次判定をし,それを人間である我々審査員が最終判断します。この判断がその申請された方の支払い限度額を決定しますから、審査する側としては相当慎重になりますが、それよりもその調査内容を拝見するにつけ介護の大変さ難しさを痛感させられることの方が大きいですね。
 40歳からは全ての人が介護保険料を払うことになってますし、健康寿命を迎えたら多くの人が該当するわけですから今から準備しておくべきでしょうね。歯の健康は健康寿命を延ばすことは明らかとなっていますので、認定審査会は毎回歯科医師としての責務を感じ身が引き締まる機会です。