院長ブログ
最強の食品は何?
これはよく雑誌やテレビで見かける特集で、きまって聞くのはニンニクとか牡蠣ですが、自分的にはトマトですね。子供の頃、夏のおやつといえばトウモロコシ、キウリ、そしてトマトでした。ただキウリには味噌、トマトには砂糖をつけて食べていました。(砂糖?それでも歯科医師?でも子供の時は歯医者ではないですから。)
で、トマトは特に好きでも嫌いもありませんでしたが、まだ幼稚園児だった時、トマトの缶ジュースを何気無く飲んでしまいました。それがオエッとなるくらいマズくて、その時はもう一生トマトジュースは飲むことはないだろうと思いました。さて月日は流れ受験生になった時、食事も不規則で時間もないのでどうしてもレトルト系に頼りがちでした。野菜もうまく摂れませんから、悩んだ挙句やむなくトマトジュースに手を出してしまいました。薬を飲むつもりで飲んだところ「あれ?うめえ!なんで?」と幼い頃のイメージとあまりにもかけ離れていることに仰天しました。ただ好んで飲むほどではありませんでしたが、苦手な飲み物ではなくなったのは確かです。
やがて大学に入学しお酒を飲む機会が増えてきました。アルコールは肝臓でアセトアルデヒドに分解され排出されます。これが体内にいつまでも残っているのは良くないのですが、この分解と排出を促進するのはトマトジュースなのです。当時カゴメのCMで「お酒を飲んだ翌朝は~カゴメトマトジュース」なんてのがテレビで流れてましたから、再び薬感覚で飲んだわけです。そしたらなんでもない時に飲むより、酒を飲んだ朝の方が圧倒的に美味しく感じられました。酔いも早く覚める気になって「こりゃあいける!トマトジュースがあるから今日も飲める!」とわけのわからない論理で飲んだ日もありました。その後酒を飲んではトマトジュースを飲むパターンが続きましたが、なんでもない時にも良く飲むようになり今では飲酒にかかわらず毎日飲んでいます。
さて酒の解毒作用でしかありがたみを感じていなかったトマトですが、実はめちゃくちゃ凄い食品のようです。そもそも食品の専門家ではないので耳学問ですみませんが、トマトにはがん予防、動脈硬化予防、血糖値の改善、胃酸中和、認知症予防、喘息の症状緩和、解毒効果等々いっぱい優れた働きがあります。あるTV番組でお医者さんを対象にしたアンケート調査で、健康のために摂っている食べ物は何かという問いに対して、トップはトマトだったそうです。その結果もうなずけますね。最後に極めつけの素晴らしい効果をもうひとつ。東京農工大学の研究によりますと、トマトに大量に含まれる『リコピン』という成分が骨の破壊を抑制する働きがあるということです。これは骨粗鬆症の予防につながるのはもちろん、歯周病の予防にも大きな効果が期待されるということです。やっぱりこれでトマトがナンバーワンでしょ!
ところでトマトは「果物」でしょうか「野菜」でしょうか。昔アメリカでこのことについて壮絶な裁判がありました。そんなことどうでも良さそうですが、当時果物と野菜では関税が相当違ってたそうです。トマト業界は利益が上がる「果物」と主張したらしいですが、やっぱり「野菜」って判決が出たようです。そりゃそうでしょ。あの幼稚園児だった時に飲んだトマトジュースは絶対フルーツではありません・・・。