院長ブログ

2016-05-26 08:20:00

「泥」と「底なし」の違い

 201605281150457930.jpg小学校の低学年だった頃のある日、雨上がりの下校時帰り道はぬかるんでいて校門を出てすぐの道端は『泥』になっていました。そこに一年生の女の子が面白半分で長くつのまま入り込み足が抜けなくなってしまって立ち往生してしまいました。一緒にいた同級生がすぐ先生を呼んできて大泣きしていたその女の子を助けたのを今でも覚えています。それを思い出すにつけ泥沼というのが存在するのであれば、入り込んだらなかなか出られないところだというイメージを持っていました。
 それとこれも古い話ですが1985年ころに見たワーナーの『ネバーエンディング・ストーリー』という映画の中で、劇中劇の少年の愛馬が沼に入ってしまってどんどん沈んでゆくシーンがありました。その時「これが底なし沼というものか」と思ったものでした。しかしなぜいずれも『沼』なのでしょう。たぶん『池』や『湖』よりもより神秘的、不思議な、物語的なニュアンスがあるからなのでしょう。
 さて楽天です。以前のブログでも書きましたが、今江も入団したので故障者さえ出なければいいところまで行くだろうと書きました。ところが松井(稼)、藤田、辛島、おまけにその今江までケガで離脱しました。それでもそれぞれ復帰後何とか持ちこたえようとしましたが、ほかに大きな誤算がありました。中継ぎ投手陣の破綻です。ここまでの総失点の約25%は7回に集中しているというデータがあります。7回の担当投手は福山、青山あたりです。彼らは昨年大車輪の働きで多くの試合に出てはホールドポイントを稼ぎました。しかしホールドは勝っていても負けていてもつくので抑えのように勝っている試合ばかりに登板するわけではありません。つまり昨年二人は登板過多ではなったのかと言われています。それが今度は今シーズン40セーブを稼ぐと宣言した松井(裕)にも伝染してしまいました。チーム全負け数の半分以上がこの三人で占めているということが今の楽天の中継ぎと抑えの弱さを物語っています。梨田監督は就任当初松井(裕)の抑えに関しては否定的でした。それは投げ過ぎにより投手生命の寿命を縮めるからということからでした。巨人の中継ぎの絶対的エース山口はかつての凄さは鳴りを潜め今シーズンはよく打たれています。いくら鉄人と言われてもあんなに登板したんではダメになるのも当然のような気がします。中日の岩瀬みたいに投げまくって引退近い年齢で通用しなくなるなら別ですがねえ。
 5月25日現在8連敗中ですがその間の総失点がなんと63点です。これでは点数をとってもとっても勝てません。ロッテ戦では12点、8点とったのに逆転され連敗でした。そしてついに先発投手まで打たれはじめています。とどめは嶋の骨折離脱。ついでに伊志嶺も。8連敗で各新聞には『泥沼』の文字がいくつも踊っています。楽天の野村元監督は『負けに不思議の負けなし』と言っていました。つまり負けるのは負けるべくして負けるわけです。野球の負けには『沼』のニュアンスにある神秘や不思議なんて微塵もあるわけないのです。早く泥沼から脱してほしいですね。底なし沼になる前に。