院長ブログ

2016-05-16 08:18:00

芸術家で発明家

 201605192338425856.jpg今日は病院の定休診日でしたので、仙台の宮城県美術館でレオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展を見てきました。レオナルド・ダ・ヴィンチの作品と言えば、「モナ・リザの微笑み」や「最後の晩餐」等が有名ですが、それらについてはそれぞれ一枚のコピー画の展示だけで済まされてました。2006年のアメリカのヒット映画、トムハンクス主演の『ダ・ヴィンチ・コード』では「最期の晩餐」にまつわるサスペンスを描いてましたが、それに関するミステリアスな展示があるかも、と思っていただけに肩透かしを食いました。
 しかし奥に進むにつれ明らかになったのは、もう憶測でしか計り知れないダ・ヴィンチの幻の一大作品の仰天エピソードだったのです。ダ・ヴィンチは様々な名画を創作し名声を築き上げたのち、1504年にフィレンツェ共和国から政庁舎の大会議室「500人大広間」に『アンギアーリの戦い』を壁画として描くよう依頼されました(相当大きい大作だったみたいです)。しかしダ・ヴィンチが独自の技法にこだわったため壁画は失敗、途中で頓挫し完成をあきらめてしまいました。やがて多くの画家が未完成のこの壁画を模写したものの、約50年後会議室の改装とともにダ・ヴィンチの壁画の上にまったく別の壁画が描かれてしまいました。ですからこの幻の壁画を知る手掛かりはこれを模写した他の画家の作品で想像するしかないと思われていました。
 ところがある専門家の推理と確信でレーダーやX線の調査から、上書きされたと思われていた絵は実はダ・ヴィンチの壁画の上にもう一枚作った壁に描かれたもので、壁は二重になっており内側の壁に失われたと思われていた壁画がそのまま残っていることが判明したそうです!!  ホントにビックリ仰天ミステリアスな結末ですね。自分は絵画の良し悪しなどほとんど素人でよくわかりませんが、こういう時代が有って、こういうすごい人間たちがいて、こんなすごい仕事をしていたなんてと感嘆しきりでした。
 もう一つ感嘆したことは、ダ・ヴィンチは絵画だけではなく、とにかくあらゆる分野で大きな功績を残したのは有名ですが、展示されていた発明品の中で焼肉にまんべんなく火が通る焼肉装置というのがあったことでした。500年前のことです。