院長ブログ

2016-02-12 00:16:00

歯科医師の使命⑤

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 最近は歯周病についての情報が多いせいか、すっかり虫歯菌の影が薄くなったような気がします。とにかく歯周病菌は様々な全身疾患とのかかわりが指摘されており、主なものでも糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、肺炎、認知症、人工関節関節の術後不良等々数えたらきりがないほどの悪者です。しかし元祖悪者の虫歯菌だって相当なものです。たとえば脳静脈血栓症という脳内の静脈に血栓ができる病気がありますが、実は虫歯菌がその原因の一つであることがわかっています。脳へは血液脳関門などがあり簡単には有害なものは進入できません。しかし重症の虫歯があり、体調不良や感染症などにより条件が悪くなると脳まで虫歯菌が到達し重篤な血栓症に発展することがあります。実際に死亡例がありますから恐ろしいですね。
 ところが今月初め国立循環器病研究センター(大阪府)の報告によりますと、虫歯菌の中には血が止まりにくくなる特定の遺伝子を持ってるものがあり、この種の虫歯菌を保有している人では脳出血の発症につながる可能性があるということです。血を固まらせて問題を起こすかと思えば、今度は出血させて困らすなんてほんと厄介ですね。
 いずれにしても口の中を不衛生にしておくのは、百害あって一利もないですね。