院長ブログ
2016-01-26 00:13:00
歯科医師の使命④
昨日は栗原市の乳幼児歯科健診(3歳)に行ってきました。宮城県は少なくとも20数年前から全国的に乳幼児にむし歯罹患率が高いことが問題になってました。県歯科医師会としても様々な原因究明の調査、検証を行いました。理由としてはむし歯は先天的なものではなくあくまで出生後の生活環境の影響が大きいので家族のむし歯に対する認識が不足しているのではないかとか、大家族が多いのでおじいちゃんおばあちゃんがおやつを与える機会が多いのではないのかとか、われわれ歯科医師の健診の仕方が相当厳しいのではないかなどとも囁かれましたが明確な解答を得るには至っていません。さらに宮城県の中でも栗原市は下位に低迷していましたので市の所轄課の焦りも大変なものでした。それで我々歯科医師会との連携のもと他の市町村より乳幼児の歯科健診や口腔衛生指導の機会を増やすようにしました。これでしばらく頑張ったものの目立った効果が得られませんでした。
次にとった方策は、母親の教育の究極は子供がおなかにいる時だとし妊婦さんの無料歯科検健診(希望者)を行うことでした。実はむし歯菌を多く保有している母親から生まれた子供は出生後むし歯菌に感染する確率が高く(つまりむし歯は感染症)、母親の口の中をきれいにし子供への感染を予防しようという考えもありました。ただこれは妊婦さん全員に受診してもらえるわけではなく効果は限定的ですので、全ての妊婦さんに受診してもらう必要があります。
さて直近のデータは手元にありませんが、数年前のものでは明らかに栗原市も宮城県もなんとか低いランキングから抜け出しつつあります。全国各地で歯科医師会とともに自治体が徹底的な虫歯撲滅の対策をとっているわけですから他の自治体よりランクを上げるのは並大抵ことではありません。しかし我々歯科医師の最終目標はとにかく虫歯ゼロであり目標達成のために現在奮闘中です。
ところで健診が終わっての感想は『開業したころ(約30年前)と比べるとほんと子供が少ないなあ。未来は大丈夫か・・・。』でした。