院長ブログ

2015-11-13 23:52:00

歯科医師の使命③

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 以前より、認知症の人は歯が少ないので歯が無いと認知症になりやすいといわれてきました。しかし実際には歯が無いから認知症になるのか、認知症だから歯が無くなるのかの関連が明確ではありませんでした。11月12日付河北新報の記事を見ますと、神奈川歯科大学口腔科学講座教授の山本龍生先生の調査研究では、健康な高齢者が歯の数の多い少いで4年後に認知症になったかの調査をしたところ、歯の少ない人は明らかに認知症になりやすいという結果が出たそうです。しかし歯がなくても義歯を使っていれば歯のある人のレベル近くまでそのリスクを下げることができるとも言っています。また転倒しやすさを調べたところ歯の少ない人のほうが転倒しやすく、つまり怪我をして寝たきりになりやすいという結果も得られました。こちらも義歯使用者では転倒のリスクが下がっていました。
 歯科医師がむし歯や歯周病だけを見ていればよい時代はとっくに過ぎています。常に口の中と全身の関連を意識して歯科医療に取り組まなければなりません。今後認知症の人がどんどん増えて来るようだと、『歯科医師はいったい何をしてるんだ!』と言われるようになるかもしれません。これからもっともっと歯の大切さと、義歯の重要性について多くの皆さんに伝えていくよう努力いたします。